6月14日~16日の3日間、「札幌まつり」が開催されました。今年で140回目を迎えた歴史ある「札幌まつり」。その魅力をお伝えしたいと思います。
今年は晴れ?雨? 天気にまつわるジンクス
札幌まつりは明治5年にはじまって以来、市民に親しまれてきました。そんな札幌まつりには、とあるジンクスがあります。それは、「三吉神社のお祭りが晴れなら、札幌まつりは雨。逆も然り」というもの。
「三吉神社」とは西8丁目の市電通り沿いにある神社で、毎年5月14日、15日に例大祭が行われます。今年の例大祭の天気はどうだったかというと…「晴れ」でした。ジンクス通りに行くと今年の札幌まつりは「雨」ですが、果たして…?
「札幌まつり」は神様に街の繁栄を感謝するお祭り
札幌まつりは、毎年6月15日の例祭を中心に、14日に宵宮祭、16日に神輿渡御が行われます。
3日間の中で、最も盛り上がるのが16日の「神輿渡御」。神様を乗せた4基の鳳輦(神輿)と、絢爛豪華な9基の山車、そして様々な装束に身を包んだ氏子約1,300人が市内を巡ります。

▲頓宮へ向かう渡御。維新勤王隊は楽士隊を持ち、太鼓や笛を鳴らしながら賑やかに歩きます

▲神様を乗せた鳳輦(ほうれん)。鳳輦は、担ぎ上下に揺らす神輿と違い、台車に乗せて静かにひくのが特徴。鳳輦のある神社は全国でも珍しいのだそう
神輿渡御が始まったのは、明治11年。当時、積雪のために冬季に北海道神宮へ参拝するのは困難を極めました。そこで、南2条東3丁目に遥拝所(現在の頓宮)が設けられ、その遥拝所にお祀りする神霊を神輿にのせて北海道神宮から移しました。この年から、神輿渡御が行われることになったのです。
北海道神宮を出発した渡御は、頓宮と西4丁目交差点の2ヶ所で駐輦祭(ちゅうれんさい)を行います。巫女による神楽の奉納や宮司による祝詞の奏上が行われた後、市民はそれぞれの神様にお参りをすることができます。

▲頓宮での駐輦祭(ちゅうれんさい)の様子。北海道神宮に祀られているのは、大国魂神(おおくにたまのかみ)・大那牟遅神(おおなむちのかみ)・少彦名神(すくなひこなのかみ)・明治天皇の4柱の神様

▲頓宮での参拝の様子。鳳輦の前にはお賽銭箱が置いてあり、参拝ができます。筆者も4柱の神様にお参りをしてきました。

▲西4丁目交差点での駐輦祭の様子。普段は賑やかな交差点が、この時は厳かな雰囲気に包まれます

▲西4丁目交差点駐輦祭後の参拝の様子。貴重な機会とあって、大行列でした
神様が自分たちの住む街までやってきてくださるのは、年に一度だけ。神輿渡御は、神様にまちの発展をみていただき、感謝を伝える貴重な機会なのです。
西4丁目交差点では、駐輦祭が終わった後、山車が1基ずつ交差点に入り、踊りやお囃子の披露を行います。9基ある山車は、それぞれ桃太郎や神武天皇、日本武尊などの人形をのっていて、飾りやお囃子も全く違います。

▲第7東祭典区の山車人形は神武天皇。刀を使うなど、力強い舞を披露。沿道からは大きな拍手が送られました

▲船形の山車で、山車人形は桃太郎。途中、「も〜もたろさん、ももたろさん♪」の曲に合わせて、昔話・桃太郎の舞を踊ります。これには子どもたちが大喜びでした
ちなみに、山車もまた、明治11年に北海道神宮から頓宮に神霊を移す際、薄野の芸妓と常盤津連中などが車2台でくりだしたのがはじまりだそう。
この日は雨が降ったり止んだりの天気でしたが、不思議なことに、駐輦祭の時は雨が上がり、山車の踊りが始まるころにはまた雨が降り始めていました。なんだか不思議ですね。
このほかにも、北海道神宮では神楽などの奉納行事が行われ、中島公園では屋台やお化け屋敷が登場するなど、と多くの市民や観光客で賑わいました。
賑やかなお囃子の音、恭しい伝統装束、わくわくする出店。
3日間のハレの日が過ぎたら、いよいよ、札幌に夏がやってきます。
参考:
北海道神宮 札幌まつりHP http://www.hokkaidojingu.or.jp/festival/
「北海道神宮例祭 札幌まつり」パンフレット&リーフレット(北海道神宮社務所発行)