古き良きアメリカを
感じるお菓子屋さん
Sweet Lady Jane

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小島達子さん TATSUKO KOJIMA 俳優・演出・演劇プロデューサー

株式会社tatt 代表取締役 俳優・プロデューサー・演劇コーディネーター・グラフィックデザイナー
札幌藻岩高校演劇部を経て、女子美術短期大学入学。1996年TEAM-NACS解散公演『LETTER』より札幌にて役者活動を再開。劇団イナダ組に1996年より参加。2012年まで同劇団に在籍。現在はELEVEN NINES所属。俳優・演出・演劇プロデューサーとしても活動。テレビ、ラジオ、ナレーション等の出演も多数。
株式会社tatt(https://tatt.jp/)

劇団との縁が深い、Sweet Lady Jane

前回、演劇専用小劇場「BLOCH」を訪れた小島達子さんは、同じ岩佐ビルにあるなじみのスイーツの店「Sweer Lady Jane」へ。オーナーの馬越弘幸さんに、お店の成り立ちやこだわり、イーストエリアへの思いを聞きました。

小島:BLOCHで仲間の劇団の公演があるとき、差し入れでSweer Lady Janeさんのお菓子をよく買っています。すごくカラフルで、ケーキやシュークリーム、スコーンもおいしいし、焼き菓子もいろいろ。BLOCHの公演は若い方が多いので、すごく喜ばれます。馬越さんが、イレブンナインの芝居のときに差し入れしてくださったこともありますよね。

馬越: 2~3年前からイレブンナインの公演のときにパンフレットの広告掲載をお願いされ、チケットをいただけるんですね。もともと演劇好きで、普段は時間がなくてなかなか観に行けないけど、そのときは時間をつくって観に行きました。もともとイレブンナインのメンバーの方と知り合いでしたし、ここの場所柄か演劇関係の人との付き合いが多いんです。オフィスキューの方々ともつながっていて、その関係からの交流も広がっています。

 

小島:こちらのお菓子で、バナナシュークリームがあったんですね。それがめちゃくちゃおいしくて。私は甘いものがあまり得意じゃない方ですけど、それをきっかけにこちらのケーキを買うようになりました。

馬越:それは廃盤になっちゃいました。昔、黒ごまを使った黒いシュークリームというのがあって、札幌のメディアを総なめするくらいヒットしましたが、そういうのはだんだん飽きてくるんですよ。今はシンプルなボストンシュークリームがオススメ。おいしいものをつくるために、儲けは度外視でやっています。

小島:馬越さんは、もともと演劇好きだったんですか?

馬越:大学の頃から音楽をやっていて、ずっとハモニカを吹いてきたんですね。60歳を過ぎてから人前で演奏しようと猛練習して、自分の店で演ったり、福祉施設などでボランティアで演っているうちに、BLOCHの公演の幕間で演るように。誰もいないステージで演奏して、お客さんが埋まってきたら引き上げる。このパターンがすごく新鮮で気に入っています。僕はジャンルにこだわらず、人前で表現することが好きで、その最たるものが芝居。すごく興味があるし、舞台の横で芝居に合わせて演奏してみたいですね。

小島:それ、すごくいいと思います!

“アメリカの今”より懐かしいアメリカンスタイルを

小島:馬越さんがこのお店を開いたきっかけは何ですか?

馬越:大学を卒業してCM制作会社に勤めていましたが、パティシエを目指して東京の洋菓子専門店で修行。それからアメリカのサンフランシスコに渡り、日系人がオーナーのパンとケーキの店を皮切りに約13年間さまざまなお店でパティシエを務めました。当初は向こうで永住するつもりでしたが、独立するなら日本かなと思うようになり、奥さんが札幌出身だったことで札幌で開業しようと。何度か札幌を訪れ、道の広さなどがアメリカンチックで気に入りました。

小島:初めからこの場所だったんですか?

馬越:開業したのは1996年で、最初は東区の小さなお店。8年ほど営業していましたが、カフェや雰囲気を楽しめる店にしたいと思い、いろいろ物件を探して岩佐ビルを見つけたんです。サッポロファクトリーの向かいでいい場所だなと思いましたが、最初は集客がままならず厳しかったですね。ところがオフィスキューの方々とつながるようになり、大泉洋さんのウェディングケーキをつくったり、森崎博之さんが番組で店の商品を話題にしてくださり、それがオフィスキューのファンの方々に広まり、だんだんお客さまがついてくるようになったんです。

小島:店内はアメリカンな雰囲気ですが、やはりアメリカ的なものがお好きなんですか?

馬越:アメリカに行く前から骨董品屋に出入りするのが好きで、ガラクタを集めていたんですね。アメリカに行ってもフリーマーケットをブラブラしたり。100年前のアメリカのオルガンもあって、頑張れば今でも弾けますよ。

小島:雰囲気が古き良きアメリカって感じですよね。お店でこだわっていることは何ですか?

馬越:お菓子がおいしいのは当然ですが、お店には異次元な空間をつくりたい、入った途端にアメリカを感じてほしいと思っています。よくアメリカ人の老夫婦がいらっしゃって、「懐かしい!今のアメリカにもない懐かしさ!」と喜んでいただけるんです。お客さまがお店に入って、楽しい気持ちになっていただけるようにしたい。そういうことに一生懸命です。

 

小島:このお店の界隈や苗穂など、イーストエリアをどう感じていますか?

馬越:苗穂地区の再開発はとてもいいなと思っていますが、古いお店や建物も残っていてほしいです。アメリカではカリフォルニアで暮らしていましたが、バリバリのニューヨーカーからはど田舎だと言われるんですね。うちのコンセプトは、カリフォルニアの田舎者がマンハッタンで開業したカントリースタイルの店。岩佐ビルの天井の高さは4mあり、趣がニューヨークのビルにそっくりなんです。おまけに向かいには、サッポロファクトリーのレンガ造りの建物があって、ニューヨークっぽいというかアメリカンチックな感じがする。やっぱりこの界隈が好きだなあ。故郷のように感じますね。

 

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