リラックスとクリエイティブが交差するカフェ「tailor」
北1条東1丁目北向き一方通行の通りに面したビルの1階にあるカフェ「tailor」。シンプルでおしゃれなお店の奥に、絵本作家そらさんが拠点とするシェアオフィスが併設されています。カフェ・オフィスともオープンしたのは2018年4月。ここは、そらさんにとって癒やしと刺激の場所だと言います。
そこは、いいものをみんなで仕立てる場所
そらさんがイーストエリアにオフィスを構えたのは、以前から一緒に仕事をしていたPATTERN PLANNING株式会社プランニングディレクターの赤坂若菜さんに「新しいオフィスを開設するのでどう?」と誘われたのがきっかけ。そらさんは他の場所にオフィスを構えていましたが、ちょうど移転を考えていた矢先のことでした。「赤坂さんの仕事を信頼しているし、人柄も大好きだったので、一も二もなく入る入る!と即決しました。ここは、赤坂さんのほかデザイナーやインテリアデザイナーなどがシェアしています」とそらさん。tailorの空間づくりも、オフィスのクリエイターたちが手掛けたといいます。
そらさんの創作活動はアトリエで行い、テレビ局などの仕事がある際にオフィスを利用し、tailorでひと息つく時間を過ごしています。「今のおしゃれはどんな感じか、どんな新しい表現があるのか、求められているデザインはどんなものか?ここでは旬なクリエイティブ を肌で感じることができます。ここは私にとって、リラックスできる場所でもあり、刺激を受ける場所でもある。スタイリッシュだとか洗練されているからというわけではなく、いいものを創ろうという思いを持った人間的に素敵な人たちが集まっている場所です」。
tailorにはテイクアウト用のオリジナルカップがありますが、そのデザインとイラストはそらさんによるものです。「赤坂さんから相談され、描いたことがないタッチでしたけどデザインしてみました。こういうアイテムに気を配り、クリエイティブとビジネスをしっかり結びつけているのがtailorらしさですね」。色を抑えたブルートーンで描かれた花と草木のカップ。シンプルで洗練されたtailorならではのデザインです。
子どもたちの夢を叶える本の出版、夢の実現へ
絵本作家として、イラストレーターとして数々の作品を手掛け、テレビ番組や読み聞かせイベントの出演など、多忙な毎日を送るそらさんは、今、新たなチャレンジに取り組んでいます。「昨年1年間、東京に通って出版の勉強をし、そのプレゼン大会でありがたいことに優勝をいただきました。20社の出版社の方が審査し、その内13社様からもの出版オファーをいただけたのです。プレゼン大会のジャンルはビジネス書で、私がプレゼンしたのは子どもに向けた夢を叶えるための本。けれども、打ち合わせを重ねるうちに、編集の方から『絵本作家なんだから絵本を描きませんか?』と提案され、あれよあれよという間に話が進んで…年内に2冊、来年の春以降にはさらに数冊出版する予定です」。
本の出版は子どもの頃からの夢だったというそらさん。その夢が動き始めたのは、自らの意識の変化によるものだといいます。「一時期、企業さんなどからいただいたお仕事ばかりをやっていた時期があり、このままではダメ、自分から発信していこうと意識を切り替えました。出版を学んだのは、その一つのアクション。自己発信がいかに大事か、tailorやオフィスのみんなから学びました」。
愛情が込められた、丁寧なひと手間が温かい
tailorの店長・赤坂いつかさんは、実は赤坂若菜さんの妹さん。札幌の有名カフェを渡り歩き、そこで培った技術と経験を活かしてtailorを切り盛りしています。「私はいっちゃんが作るココアが好きでいつも注文していますが、作り方が細かく丁寧でとても愛情を感じますね。飲み物一杯一杯に、お菓子一個一個に、一生懸命思いを込めて作っている感じです」とそらさん。いつかさんにお店のお話を聞いてみました。「店名のtailorは、紳士服の仕立て屋さんという意味ですが、オフィスのみんなと一緒に創り上げていく、仕立てていくという思いを込めて付けました。響きもかわいいですよね。おすすめは、一杯ずつハンドドリップで淹れるコーヒー。ケーキなどのお菓子も、全部自分たちで手作りしています」。
店内では、音楽のライブやワークショップなどのイベントを開催することもあります。取材時には壁に絵が飾られていましたが、アーティストによる作品展示は初の試みだとか。これからも、さまざまなイベントや作品に出会えるかもしれません。「tailorでは昨年の震災の後、店長のいつかちゃんやお姉さんの若菜さんが、炊き出しでおにぎりを近所の方々に配ったんですよ。洗練されているだけではなく、地域に密着しているのもtailorの魅力ですね」とそらさんが教えてくれました。おしゃれで、クリエイティブで、だけど温かくホッとできる空間。tailorには、いつも心地よい時間が穏やかに流れています。
◎絵本作家 そらさん INFORMATION◎
絵本作家 そらさんが出演する「読み聞かせイベント」が9/29(日)アリオ札幌にて開催!
今年で17年目となる、一般社団法人 札幌地区トラック協会が主催の読み聞かせイベントです。
チビッコあつまれ!読み聞かせ広場 in アリオ札幌
日時:2019年9月29日(日) ※入場無料
開場 10:30 /終演 17:00(予定)
読み聞かせステージ時間
①11:00〜11:30、②13:00〜13:30、③14:30〜15:00、④16:00〜16:30
会場:アリオ札幌 1階ハーベストコート/屋外エントツ広場
(札幌市東区北7条東9丁目2-20)
出演:絵本作家 そら & THE NORTHERNLIGHTS ORCHESTRA、人形劇団 ブランコ ほか
主催:一般社団法人 札幌地区トラック協会
出演は、絵本作家そらさんのほか、そらさんの読み聞かせをオリジナルBGMの生演奏でサポートするTHE NORTHERNLIGHTS ORCHESTRA(ザ・ノーザンライツ・オーケストラ)、腹話術『あっちゃんとあそぼう』でおなじみの人形劇団 ブランコさんが登場!読み聞かせの各回先着100名様(お子様限定)には、そらさん書き下ろしの新作絵本「ランディーとふえるにもつ」のプレゼントも!
屋外エントツ広場では、実車トラックによる搭乗体験やお楽しみ抽選会も開催!「見る!」「乗る!」「ふれる!」を体験する1日だけの読み聞かせワンダーランドをお楽しみいただけます。