SAPPORO YARDフォーラム
「札幌の未来の地図を考える」
茂木健一郎氏講演 REPORT!

NOTE
NO.16

2019.09.11

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8月25日、HTB社屋6階大会議室にて「札幌の未来の地図を考える」SAPPORO YARDフォーラムが開かれました。当日は茂木健一郎氏による講演会とイーストエリアゆかりの方々によるパネルディスカッションを開催。人とまちの「未来地図」をさまざまな視点から語っていただきました。

ここでは、第1部の茂木健一郎さん講演会について紹介します。
※第2部のパネルディスカッションの様子はこちら

第1部講演会
「脳と変化」〜生き方の地図はいつからでも変えられる〜

[プロフィール]脳科学者:茂木健一郎氏
1962 年10 月20 日東京生まれ。
東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。
理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現在に至る。
専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして
脳と心の関係を研究するとともに、文藝評論、美術評論などにも取り組みながら、
作家、ブロードキャスターとしても活躍の幅を広げている。
2005 年、『脳と仮想』で第四回小林秀雄賞を受賞。
2009 年、『今、ここからすべての場所へ』で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。
2006 年1月~2010 年3 月、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』キャスター。

 

幸せなチャレンジで
脳はいくつになっても成長できる

北海道の人の脳は、自分自身を客観的に見る「メタ認知」にユニークな特徴があります。それは北海道の文化や習慣がスタンダートだと思っていること。炊事遠足、会費制結婚式、香典の領収書……すべて道外にはない習慣ですが、皆さん当たり前だと思っていませんでしたか?

メタ認知は前頭葉を使いますが、前頭葉の働きを高める上で大事なのがドーパミンです。ドーパミンは新しいことに挑戦する不安を乗り越えた時、ドッと放出されます。不安を伴うチャレンジは時間が長く感じられるもの。「歳を取ったら1年なんてあっという間」と感じているなら、新しいことに挑戦していない証拠です。

人間は「安全基地」があってこそ新しいことに挑戦できるもの。脳科学が考える理想の安全基地は「自分の個性」です。100人いたら100の個性があり、100の正解がある。自分の個性を受け入れると幸福度が増すことも科学的に証明されています。自分の個性を受け入れ、自分の安全基地にすることで、人は幸せなチャレンジを続けていけるのです。

 

まちを生まれ変わらせる
都市のダイナミズム

まちづくりにも似た側面があって、地域の課題を逆手に取って個性に変え、人気エリアに生まれ変わることがあります。ニューヨークの空中公園「ハイライン」は高架鉄道の廃線跡を再開発して最先端エリアに生まれ変わりました。ロンドンの「ドックランズ」も衰退していたウォーターフロントを再開発し、ビジネス・商業・住宅の複合エリアとして発展を遂げました。これこそが都市のダイナミズムです。

苗穂エリアはこれまで空洞化が進んでいたそうですが、苗穂駅前に高層複合マンションが建設されるなど、再開発が進んでいると聞いています。もしかしたらハイラインやドックランズに匹敵する新しいコミュニティが生まれるかもしれませんね。先ほど「葛飾北斎は引っ越し魔だった」と話しましたが、皆さんもこれを機に苗穂に移り住んでみたらどうでしょう?新しいまちの暮らしは、ドーパミンがどんどん放出されて脳を大いに活性化してくれるに違いありません。(了)

 

約60分の講演後、司会の佐藤麻美さん(フリーアナウンサー)が加わって質疑応答となりました。
さまざまな質問が飛び出し、会場は盛り上がりました。

質疑応答の後半では、お悩み相談的な質問も飛び出し、どんな質問にも脳科学者として明確に回答していく様子が印象的でした。

※以上で、2週続けて紹介しましたSAPPORO YARDフォーラムREPORTを終わります。