SAPPORO YARDフォーラム
「札幌の未来の地図を考える」
パネルディスカッションREPORT!

NOTE
NO.15
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8月25日、HTB社屋6階大会議室にて「札幌の未来の地図を考える」SAPPORO YARDフォーラムが開かれました。当日は茂木健一郎氏による講演会とイーストエリアゆかりの方々によるパネルディスカッションを開催。人とまちの「未来地図」をさまざまな視点から語っていただきました。

ここでは、第2部のパネルディスカッションの内容を紹介します。
※第一部の茂木健一郎さんの内容は9/11(水)に更新予定。

[第2部]パネルディスカッション
「札幌イーストの新しい地図」〜開発が進む札幌イーストエリアの魅力について〜

パネリスト:伊藤 亜由美 氏(株式会社クリエイティブオフィスキュー 代表取締役)
ヒロ 福地 氏(タレント)
山重 明 氏(株式会社ノーザンクロス 代表取締役)
和田 哲 氏(株式会社あるた出版「O.tone」編集デスク・街歩き研究家)
司会:佐藤 麻美 氏(フリーアナウンサー)

 

 

■伊藤 亜由美 氏(株式会社クリエイティブオフィスキュー 代表取締役

エンターテインメントにゆかりある
イーストエリアを札幌のカルチャー発信地に

仕事も生活もイーストエリアが拠点

オフィスキューは27年前、北海道神宮頓宮のお向かいにあるマンションの一室からスタートを切りました。その後移転を経て北2条東3丁目にイベントホール「cube garden」をオープンし、11年目になります。自宅もイーストエリアなので、この辺りはほんとうに馴染み深いですね。休日は永山記念公園で犬の散歩をしてから永山レストでお茶を飲んだり、サッポロファクトリーで映画を観たり。おいしいお店もいっぱいあるので、最近はススキノからすっかり足が遠のいてしまいました。

永山記念公園内にある「ナガヤマレスト」

エンターテインメントに縁のあるまち

イーストエリアはエンターテインメントに縁の深いまちですね。私の「地図」の原点は、札幌のカルチャーシーンの中心地だった「駅裏8号倉庫」(1986年閉館)。音楽、舞踏、演劇などいろいろなイベントやライブをやっていて、当時住んでいた小樽からよく足を運んだものです。ここで鈴井貴之(オフィスキュー会長)の舞台を観て感銘を受け、鈴井の劇団に入りました。

サッポロファクトリーホールは鈴井貴之主宰の劇団OOPARTSの舞台で、入場待ちのお客様が会場を一周した光景を目にした大泉洋がいつか自分も演劇でそうなりたいと誓った場所でもあります。かつてお世話になった和田研一さんも岩佐ビルに演劇専用小劇場「BLOCH」を開設。つくづくエンターテインメントに縁のあるまちだなあと思います。

カルチャーが広げるエリアの可能性

「cube garden」は札幌駅と苗穂駅の中間にあります。

北2条東3丁目にあるイベントホール「cube garden」

札幌だけでなく道内各地や道外からも足を運んでもらいたいという思いでこの場所を選びました。東京には下北沢や中野、秋葉原といったカルチャー発信地がありますが、イーストエリアは札幌のエンターテインメントが集積して札幌のカルチャー発信地になってほしい。そうすればイーストエリア全体の可能性も大きく広がるのではないかと思います。

 

 

■山重 明 氏(株式会社ノーザンクロス 代表取締役)

苗穂で描いた「新しい地図」に
まちのDNAは生き続ける

苗穂で育ち、苗穂でまちづくりに邁進

小学5年の時に地方から札幌に転居し、初めて住んだのが苗穂駅の北側でした。まちには鉄道車両基地や町工場、倉庫、雑貨屋、居酒屋などがひしめき、田舎から出てきた小学生には探検の宝庫だったのを覚えています。ノーザンクロスを設立したのは32年前。当時人口減で衰退していた苗穂で、地元の方々と一緒にまちづくりに取り組んできました。

苗穂150年の歩みと「新しい地図」

明治期の苗穂は水脈が多く、豊かな水を利用した農業開拓が進みました。これらの農産物を活用し、ビールやぶどう酒、麻、製粉、味噌醤油などの官営工場が作られました。札幌オリンピックの頃に苗穂の人口はピークを迎えましたが、その後は倉庫の移転などで人口が激減。札幌の発展とは裏腹に衰退していく苗穂を憂えた地元の人々は、1993年に苗穂まちづくり協議会を設立。まちの復活を目指して努力を続け、苗穂の人口はV字回復を遂げました。

2002年には「苗穂まちづくりガイドライン」を作成。それまで駅の南北で分断していた苗穂を、駅舎移転によって互いに行き来できる「新しい地図」を描きました。苗穂のまちづくりは地図の通りに進み、2004年にアリオ札幌、2018年に新苗穂駅がオープン。今年中に苗穂駅南口の駅前広場、2022年には高層複合マンションがそれぞれ完成予定です。

再開発事業の完成イメージ図〈提供:北3東11周辺地区市街地再開発組合〉

マンションは苗穂駅直結で通路を通ってアリオにも行けます。商業施設や医療モールも入るので高齢者も安心して暮らせるし、駅前広場はカフェやイベントで賑わうことでしょう。

まちのDNAが受け継がれることを願って

この150年の間、苗穂にはさまざまな変化の波が訪れましたが、そのたびに新たな活動や人の思いが吹き込まれ、歴史は一瞬も途絶えることなく続いてきました。時代とともに街並みやライフスタイルが変わっても、まちのDNAは消えることはありません。これからの苗穂が新しい文化発信地となり、まちのDNAが未来へ受け継がれることを願っています。

 

 

■和田 哲 氏(株式会社あるた出版「O.tone」編集デスク・街歩き研究家)

苗穂に残る歴史の痕跡を
まちの魅力として継承したい

今も残る「鉄道のまち」の名残

鉄道ファンの私にとって鉄道車両工場のある苗穂はまさに聖地。旧苗穂駅は昭和10年に建てられた木造駅舎で、線路側に萩原朔太郎の詩「旅上」の一節を用いた駅員さん手製の看板が掛けられていました。札幌から旅立つ人を見送るようなこの看板が大好きだったのですが、新駅舎にも復刻版がちゃんと飾られていて安心しました。

新しくなったJR苗穂駅のきっぷ売り場の上に掲げられた手製の看板

最近まであったサッポロファクトリー前の歩道橋にも旧市電の吊架線跡が残っていたように、鉄道のまちの名残は至る所にあります。

古地図を辿るとまちの歴史が見えてくる

苗穂のまちを歩くと、面白い地形や区画があることに気づきます。サッポロファクトリーの近くにある「あそぶべ公園」が右上にツノが生えたような形をしていたり、北1条東4丁目の東4丁目通にずれが生じていたり…その答えは古地図にあります。

東4丁目通のクランク型の交差点

明治初期はこの一帯に開拓使工業局があり、貯木場や水路がありました。これらの名残が区画のずれや歪みとして今も残っているわけです。

苗穂駅の北側は江戸時代から開発が進んだ地域ですが、このあたりがかつて伏籠川の流域だったことを示す複雑な地形や変形した区画が残っています。地形に合わせた不思議な形のビルや不規則に並ぶ住宅も多いですね。アリオ札幌の苗穂駅側にはビール工場から函館本線へビールを運搬していた専用鉄道の痕跡が空き地となって残っています。

市電が苗穂を走る風景をもう一度

昭和36年 北3条通りを走る市電(北3条東8丁目)「札幌市公文書館蔵」

イーストエリアには歴史の痕跡があちらこちらに刻まれています。古い建物や軟石倉庫も残っていますが、いずれも現在の建築法では建てられず、一度壊してしまったら二度と再生できません。今あるものを保存・活用し、苗穂のまちの魅力としていきたいものです。また、札幌市電は札幌駅、桑園、苗穂方面への延伸案が挙がっていますが、鉄道ファンとしては再び苗穂のまちを電車が走ることを願ってやみません。

 

 

■ヒロ 福地 氏(タレント)

古い街並みと新しい暮らしが共存し、
札幌の中核を担う未来を描いて

札幌の人より苗穂駅を利用していた?幼少時代

江別市大麻で生まれ育った僕は、JRに乗って札幌のデパートに連れて行ってもらうことがよくありました。白石駅を過ぎると苗穂駅で停車して、「札幌駅はすぐそこなのにどうして停まるのかな?」と不思議だったのを覚えています。父の職場も苗穂駅の近くにあったので、しばしば立ち寄っていました。いま思えばよく苗穂駅を使っていたんですね。いまは一部を除いて快速列車が停車しないので、札幌に長く住んでいる人でも苗穂駅を利用したことがない人は多いかもしれませんね。

2018年11月に新駅として開業した苗穂駅(南口)駅舎は赤レンガをモチーフにデザインされた。

古い景観と新しい暮らしが共存するまち

苗穂には北海道開拓が始まった150年前から現存している建物が数多く残っています。サッポロビール園や福山醸造、カフェロッソ(旧福山商店)などの赤レンガ建築は素晴らしいですよね。

北国の青空に映えてすごく絵になります。昔好きだった「レストランのや」は古い軟石倉庫を改装したお店で、味わい深い雰囲気が気に入っていました。先日久しぶりに行こうと思ったら、周辺にビルやマンションが増え、街並みがすっかり変わっていて迷ってしまいました。古い建物と最新のマンションが混在している風景もイーストエリアの新しい魅力かもしれません。昔ながらの景観と新しい都心生活が共存できるまちづくりが進むといいなと思っています。

札幌を象徴する「北3条通」はイーストエリアの誇り

僕がイーストエリアの中でも重要な意味を持つと思うのが「北3条通」。東から西へ延びる道路の真正面に道庁赤れんが庁舎がドーン!と見える風景は圧巻です。道路が作られた明治初期には「札幌通」と呼ばれていたといいますから、まさに札幌の歴史に通じる道と言えるのではないでしょうか。イーストエリアに住むみなさんには、札幌を象徴する北3条通を誇りに思ってほしいですね。

北3条通りのはじまりである道庁正門前は、札幌で初めての舗装道「札幌市公文書館蔵」

北海道新幹線の札幌延伸計画も進む中、イーストエリアは未来の札幌の中心的役割を担うと言われています。イーストエリアがこれから歩む道の先にどんな札幌の風景が待っているのか、とても楽しみです。

【次回記事更新予告】
SAPPORO YARDフォーラム第1部 脳科学者:茂木健一郎さんの講演については9月11日(水)に記事を更新する予定です。お楽しみに。

 

 

[INFORMATION]

SAPPORO YARDフォーラムで紹介された札幌イーストエリアでの再開発事業のひとつ
苗穂駅南口に誕生する新築分譲マンション「プレミストタワーズ札幌苗穂」の詳細はこちら。

 

[新築分譲マンション誕生記念抽選会のお知らせ]

「プレミストタワーズ札幌苗穂」イベントをサッポロファクトリーで開催します。
詳しくはこちら。
◯日程:9月7日(土) ・9月8日(日)
◯時間:10時〜18時
◯場所:サッポロファクトリー3条館2階 連絡通路
◯内容:アンケートにお答えいただいた方に、抽選で素敵なプレゼントを差し上げます。